白神山地一帯の秋田、青森両県8市町村でつくる環白神エコツーリズム推進協議会(事務局・藤里町)は、一帯の歴史や文化に光を当てた本の出版を計画している。
東京都立大の山下祐介教授(55歳)=社会学=や各自治体の職員らが調査、執筆を担当し、年内に発行の予定。
県境を越えて白神一帯の歴史、文化をまとめた資料は少ないといい、今後の誘客にも活用する考え。
白神山地は1993年の世界遺産登録から昨年で30年を迎え、協議会が節目の事業として本の出版を計画した。
一冊ごとに歴史や芸術などのテーマを掘り下げる、平凡社(東京)の「別冊太陽」シリーズとして刊行する計画。
山下教授はこれまで、青森県側の白神の歴史や文化を掘り下げた書籍「白神学」を監修。
今回の本では縄文時代から現代に至る一帯の歴史を概観し、ブナ林のもとで生まれた縄文文化、中世の城館、鉱山の盛衰やダム開発などについて触れる。
山や河川、史跡など各地の特徴的なスポットも紹介。
狩猟に従事したマタギ、駒踊りなど伝統芸能も取り上げる。
「人々の暮らしが白神とともにあったことを広く伝え、両県の関係者が隣県の歴史や文化について理解を深めるきっかけにもしたい」と語る。
本の編集に向け、これまでに伊徳地域振興財団(大館市)などの助成を得て調査活動を進めている。
両県の学芸員らで昨年組織した「環白神文化圏研究会」も連携する。
5月5~7日には、同研究会のメンバーが八峰町の城館遺跡などを訪れた。
このうち同町八森の本館城跡では、16世紀末に城が築かれたと伝わる一帯の地形を測り、平らな曲輪(くるわ)や敵の侵入を防ぐ堀切などの略図を作った。
青森県の鰺ケ沢、深浦両町などでは過去に地元の学芸員が協力して城館遺跡など49カ所を調査していた。
研究会メンバーの中田書矢さん(51歳)=鰺ケ沢町教育委員会=によると、両県の学芸員が連携しての調査はこれまでにない取り組み。
調査に同行した本館地区住民の斉藤進さん(86歳)は「城の詳しい構造は地元に伝わっておらず、調査で明らかになるのはありがたい。」と期待した。
環白神エコツーリズム推進協議会は、今回出版する本をテキストにした「白神検定」を将来的に実施する方針。
来訪者が歴史や文化への理解を深める助けとするほか、もてなしに向け地元の機運を高める狙い。
秋田魁新報の記事
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<以下は白木個人の意見/感想です>
秋田、青森の両県を跨いだ協力体制は素晴らしいですね。
これまでの成果の集大成を目指して頑張っていただきたいと思います。
「白神検定」へのチャレンジを楽しみにしています。
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