秋北バス(秋田県大館市)は今月1日、能代山本地域のバス路線を再編した。
八峰町、藤里町の路線をそれぞれ廃止、縮小する内容で両町は巡回バスや乗り合いタクシーの運行エリアを拡充して対応している。
ただ、拡充には既存のバス路線や他自治体との調整が必要になるため、乗客の利便性を確保しにくいケースもある。
利用者の減少などを背景に民間交通網が手薄になる中、自治体単位ではなく、能代山本地域全体で代替交通を考えるべきだとの声も出ている。
能代山本地域は総合病院や大きなスーパーがある能代市を中心とした公共交通網が形成されている。
秋北バスの路線が能代市と隣接する八峰町、藤里町、三種町をつなぐ一方、路線バスの通らないエリアを各市町が巡回バスや乗り合いタクシーを走らせることで通院や買い物の動線を確保してきた。
今月から路線が廃止された八峰町にはスーパーがなく、縮小となった藤里町は医療施設が少ないため、能代市までの移動手段が欠かせない地域といえる。
八峰町ではこれまで町内各地区を走る町巡回バスと、道の駅みねはま―JR能代駅間を結ぶ秋北バスの路線を併用することで住民の能代市までの足を確保していた。
今月からは秋北バスの路線がなくなり、町巡回バスが能代市まで乗り入れる形となった。
町巡回バスは主要な目的地である能代市の能代厚生医療センターやスーパーのいとく能代北店へ乗り換えなしでアクセスできる。
ただ、能代市では秋北バスの既存路線や市巡回バスがあり、町巡回バスでは自由に中継点を設定できない面もあるという。
八峰町企画政策課は今後の地域交通の在り方について「自治体単独で維持するのが難しくなってきている。
隣接する自治体と一体となって取り組むべき課題ではないか」と指摘する。
一方、藤里町では既存の3路線が廃止され、町内を走るバス路線は町役場近くの藤琴大町と能代市をつなぐ「藤琴・能代線」のみとなった。
町は今月から路線が廃止された地域を予約型乗り合いタクシー「駒わりくん」の運行区域に加え、路線バスと乗り継いで能代市まで移動できるようにした。
ただ、利用者にとっては乗り合いタクシーに移行したことで、事前に運行会社に予約を入れる手間が増えたほか、能代市に行くには町内での乗り換えも必要になった。
町によると、先月下旬に開かれた住民向けの説明会では「乗り慣れているバスがなくなってしまうことが不安だ」「毎回予約の電話をすることに抵抗がある」などの声が聞かれたという。
町総務課は今後、町外へのタクシーの乗り入れもあり得るとした上で「町民目線に立てば目的地まで短時間で到着することが重要なため、町内を細かく回り、町外では病院やスーパーなどに絞って止まるのが理想だ」とする。
両町とも従来のバス路線を代替交通に置き換えて住民の移動手段を維持しているが、乗車方法が複雑化することや隣接自治体の公共交通体制への配慮が必要になる点が課題となっている。
人口減により、バス路線が今後も縮小される可能性がある中、各自治体が課題克服に向け、どんな交通施策を打ち出すかが重要になっている。
秋田魁新報の記事
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<以下は白木個人の意見/感想です>
2024/8/10掲載「巡回バスの「能代直通便」を承認 八峰町地域公共交通会議」で巡回バスに能代直通便が10/1より運行になることをお知らせしました。
しかし、今回の記事で詳細が明らかになり、新たな問題点も見えて来ました。
巡回バスの直通便が市内の停まるところは、能代厚生医療センターやスーパーのいとく能代北店だそうです。
これは、行き先がその2箇所だった場合はとても便利になるのですが、そこ以外の場合は、秋北バスの市内巡回便に乗り換えなければなりません。
以前、直通便ができる前は「道の駅みねはま」で秋北バスへ乗り換えていたのですが、そのバスは市内を巡回していたのか、能代厚生医療センターやスーパーのいとく能代北店、能代バスステーションだけだったのかは不明ですが、恐らく以前より不便にはなってることは無いと思います。
また、八峰町はオンデマンドバスだけでは無く、時刻表で運行される巡回バスも運行されているので、必要都度連絡する不便さはありません。
八峰町巡回バス時刻表
問題は、近い将来に能代へ隣接する他町の運行と、人口減によるコスト削減目的にサービスレベルが統一されるようなことがあると、八峰町としては少し不便になるのでは? といった心配です。
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