迫る知事選前哨戦リポート 上

任期満了に伴う県の知事選(3月20日示、4月6日開票)は、元自民党県議の鈴木健太氏(49歳)=秋田市=と元副知事の猿田和三氏(61歳)=同市=による一時打ちが濃厚な情勢だ。
現職の佐竹敬久氏(77歳)に代わり、人口減少対策をはじめとする課題山積の県政における新しいかじ取り役を決める重要な選挙。
全県各地で集会を開くなど活発な前哨戦を展開している両陣営や、政党の動きをリポートする。
(菊地健太郎)

<若い力で秋田を刷新 草の根で支持訴え 元県議 鈴木健太氏>

「秋田は素らしい県なのに、素晴らしい材料がいっぱいあるのに、なぜ人口減少が進んでいるのか。政治や行政に問題があるのではないか。物の考え方、仕事の進め方を変えるだけでもまだまだ秋田県は良くなる余地が大きいと思い、知事選に挑戦するに至った。」。
2月2日、能代市中央公民館で開かれた座談会「秋田の未来を語る会」で、鈴木氏が約90人の聴衆に語った。
座談会は自身の生い立ちや掲げる政策を1時間余り熱弁した後、参加者の質問に答えるスタイルで、1日に4会場を回ることもある。
鈴木氏は大阪府生まれ、神戸市育ち。
京都大卒業後、陸上自衛隊を経て、妻の故郷である秋田市に移住し、司法書士になった。
平成27年の県議選秋田市選挙区に出馬し、トップの得票で初当選。
その後も上位当選を重ね、3期目の令和5年に副議長に就任した。
1月末に離党した自民党県連内では若手リーダー格と目され、前回3年の知事選への出馬も検討したものの、最終的に見送った経緯がある。
秋田に根を張り、目の当たりにした人口減少問題への危機感が、政治活動の原点。
座談会では「県内で生まれた子どもの数は、ピークの昭和23年に4万6千人余りだったのが、昨年は3300人余り。ここ5年、10年で何とか下げ止め、地域が存続できる見通しを持てるようにしていかなければならない。私は、人口減少対策を諦めない。」と語る。
人口減少対策の「一丁目一番地」として語るのは、子育て世代のAターン(秋田への移住)の促進。
現在年間で3千人前後の社会滅を、1期日の4年間で1千人台まで減少させる数値目標を掲げる。
「都会で子どもを育てるのは本当に大変。電車は過密でマンション価格は高い。潜在的なAターン層はたくさんおり、子どもを連れて戻って来ることに絞ったキャンペーンをやりたい。」。
中長期的な取り組みとして、風力や地熱発電といった再生可能エネルギー、豊富な森林資源に裏付けされた本県の「持続可能性」を経済的な豊かさにつなげると訴え、農業、観光、医療・福社、教育、公共交通など分野ごとに具体策を示す。
昨年11月に出馬を表明して議員辞職後、秋田市内で地区単位の座談会をスタート。
年明け以降は秋田市以外にも出向き、旧69市町村単位での開催を目指して、有権者との対話を重ねている。
地元の後援会関係者や若手経営者らが活動を支えており、SNSでの情報発信にも力を入れる。
1月14日には県議会議員有志18人による「けんたを応援する議員の会」が発足した。
自民党県連青年局長の佐々木雄太氏が「リーダーシップがあり、県当局と議論を重ねる中で政策提言してきた姿は、新しいかじ取り役を担うにふさわしい。」と語れば、元議長の鈴木洋一氏も「論理的な考え方を持ち、若さも魅力。地域を変えていくのはよそ者、若者だと言われる。「まだ若い」という声もあるかもしれないが、全国の知事で40代で活躍している知事はたくさんいる。」と援護する。
議員の会にはその後、市町村議126人(2月9日現在)が加わり、市政報告会に鈴木氏を招いたりと支援している。
告示まで1ヵ月を切り、新人同士の一騎打ちの争いとなることが濃厚な情勢下、障営は「刷新か、継続か。」のキャッチフレーズを打ち出し、猿田氏陣営との対立軸を明確にする戦略が鮮明だ。
県北地域の大雪から一夜明けた2月22日。
大館市田代公民館で開かれた座談会で地元の小棚木政之県議は、猿田氏陣営に政党や団体の支持が相次いでいることに触れて「今までと同じような流れの中でいこうとしている人たちがいて、それでいいと思っている人たちがいるということの証しではないか。今、刷新しなければ、秋田県は大変なことになる。」と強調。
参加した同市の40代会社経営者は「鈴木さんは歯切れが良く、実現できそうな施策を具体的に語っている。若い力で、秋田を変えてほしい。」と期待を語った。
陣営関係者は「非常に厳しい選挙。今の段階で若干リードを許していると見なければならない。」と引き締めを図る。
座談会をはじめ、県内各地でのつじ立ちや企業の朝礼参加など奔走を続ける鈴木氏は「各会場での手応えは悪くない。どれだけ(支持を)広げていけるか。草の根でやっていく。」と話し、今後も丁寧に政策を訴えていく構えだ。

北羽新報の記事

北羽新報のトップページ

鈴木健太氏

<以下は白木個人の意見/感想です>
鈴木健太候補が挙げている『人口減少対策の「一丁目一番地」として語るのは、「子育て世代のAターン(秋田への移住)の促進」』、これはAターンに限定していますが、私が2016年から提案している「転職なき移住」施策と考え方の基本は同じです!
キーはこの施策によって、子育て中の家族ごとの移住を獲得して、少子化への解決策とすることです。
移住動機の「都会で子どもを育てるのは本当に大変。電車は過密でマンション価格は高い。」ここもほぼ一緒です。
「転職なき移住」の場合は、追加で「長時間通勤」があります。
(2022/1/23記事 “全国どこでも勤務可” IT業界に動き 意欲向上・人材獲得へ)
我が町も是非「転職なき移住」施策をご検討いただきたいと思います。
具体的には、町が2021年7月に募集したパブリックコメントへ私が応募した施策を再度ご検討いただきたいと思います。
(2021/7/21 記事 八峰町過疎地域持続的発展計画(素案)に関するパブリック・コメント(町民意見募集)+コメントを出せる条件追記

皆様も投稿記事への感想やご意見など何でもご自由にコメントし、コミュニケーションしませんか。

※ この画面を下ヘスクロールするとコメント欄が表れます。
この投稿記事に対して誰でもが何人でも自由にご自分の考えや思ったことをコメントできます。
また、そのコメントに対して誰でもが何人でも自由に返信コメントができます。
投稿記事をテーマにしてコミュニケーションしましょう。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です