町が菌床シイタケの生産拠点として峰浜目名潟に整備した施設は、今年2月から順調に稼働し、シイタケを育てる菌床ブロック(ほだ)の生産量が伸び始めています。
町はほだの増産に伴い、町産菌床シイタケの出荷量を引き上げていく計画です。
町の菌床シイタケ生産は、旧峰浜村などが出資して1997年に設立した第三セクター「峰浜培養」が、翌年に施設を整備してほだの生産に取り組み、地元農家の栽培を後押し、この取り組みを同町が合併後も引き継ぎ、特産品に育ててきました。
その結果、2013年度は出荷量535トン、販売額4億9560万円、2016年度は出荷量746トン、販売額8億800万円と伸びました。
今回の施設整備により、町は2019年度には出荷量千トン、販売額10億円を達成したい考えです。
県が目標に掲げる首都圏での県産シイタケ販売三冠王(販売量、販売額、販売単価)にも貢献したいとしています。
新たな施設は町が5億5千万円余りをかけて整備しました。
ほだの製造棟(1棟)と培養棟(3棟)、シイタケ栽培棟(2棟)などがあり、従来のほだ生産施設と同じく峰浜培養が運営に当たります。
新施設の稼働により、2017年度に月約19万個、年間229万個だった同社のほだ生産量は、今年4月以降、月20万個を超えました。
本年度は265万個、来年度は300万個を目指しています。
問題は、ほだの増産に合わせ、町内農家によるシイタケの栽培態勢をどう維持し、拡充していくかです。
現在、町内で菌床シイタケを生産しているのは農家十数戸と峰浜培養。
農家は高齢化が進み、労働力不足が課題となっています。
必要な労働者を確保できないために栽培を諦めるケースも生じているというから深刻です。
せっかくほだの増産を図っても、それを使って菌床シイタケを栽培する地元農家が減ってしまっては何にもなりません。
労働力の確保は急務です。
町も手をこまねいている訳ではありません。
新規就農希望者が新施設で作業に当たり、一定の収入を得ながら栽培技術を習得できる研修事業に着手しました。
昨年秋に初めて募集したところ、30代の男性2人から応募があり、4月以降新施設で研修を受けています。
研修後、就農希望者が実際に町内で栽培できるようにサポートすることも重要です。
町内にある遊休施設を貸与して活用してもらう手も考えられます。
その際は町やJAなどが仲介に当たり、できる限り負担の軽減を図ることが求められます。
菌床シイタケの生産は近年、企業などの参入も目立ち、競争が激しくなっています。
ほだの増産に合わせて栽培農家の確保に努め、安定出荷を確かなものにし、市場からより信頼される産地を目指したい。
町の活性化として就農人口確保/増加の切り札として育てている事業です。
生産量や販売額は順調に増加しているようですが、そのほだを使ってシイタケを生産する農家の人材確保が問題のようです。
少子高齢化で簡単にはいかないようですが、なんとか成功して欲しいと思います。
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