障害者が働きながら技術や知識を身に付ける「就労継続支援A型事業所」の閉鎖が相次いでいる。
共同通信が都道府県、政令指定都市、中核市を対象に行った調査では3~7月に全国で329カ所が閉鎖され、障害者の解雇や退職は少なくとも約5千人に上った。
県と秋田市によると、県内では八峰町と秋田市の計3事業所(利用者計73人)が該当。
休止した事業所も横手市に1カ所(4人)あった。
県外では閉鎖の通告が直前だった例もあり、失職した人たちの間に動揺が広がっている。
自治体やハローワークは連携を強め、再就労に向けた支援に力を尽くしてほしい。
A型事業所は全国に約4600カ所あり、一般企業に雇用されることが難しい精神、知的障害者を中心に8万人超が働く(7月時点)。
雇用契約を結ぶのが特徴で、利用者は事業所からサポートを受けながら生産活動や職業訓練を重ね、最低賃金以上を受け取る。
事業所は国からサービスの報酬や雇用保険の助成金を受け取ることができる。
今回、短期間で事業所閉鎖が集中したのは、4月に国が行った報酬改定によるとみられている。
公費に依存した経営の改善を促すため、賃金を事業収益で賄えていない事業所の報酬を大幅に引き下げた。
公費なしで経営が成り立たない事業所などで撤退が広がった形だ。
A型事業所の大量閉鎖は今回が初めてではない。
2006年に障害者自立支援法(現在の障害者総合支援法)が施行され、就労支援事業に株式会社が参入できるようになった。
これに伴い事業所数は増加したが、同時に報酬や助成金目当てに利用者数を水増ししたりする業者も現れた。このため厚生労働省は17年度に報酬の支給要件を厳格化。
その際も閉鎖は相次いだ。
今年の報酬改定を含め、一律に事業所を選別したことで、少ない収益でも重い障害のある人を積極的に受け入れている事業所があおりを受けている可能性がある。
結果として利用者が不利益を被っていないか。
国や自治体は本腰を入れて調査し、必要な対策を講じるべきだ。
経営を圧迫する要因は報酬改定だけではない。
事業所によっては生活支援員や職業指導員などの人材を確保できずにサービスの低下を招き、利用者が減少しているケースもあるようだ。
報酬削減を回避するためには収支の黒字化が求められるが、事業所の自助努力だけでは難しい面もある。
事業所が生産活動を持続させていくために、地域のサポートも求められよう。
就労継続支援事業所の設置根拠となる障害者総合支援法は、障害の有無にかかわらず全ての国民が基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであると定める。
事業所の閉鎖により、障害者の働く機会の喪失や社会参加の停滞を定着させるようなことがあってはならない。
秋田魁新報の記事
秋田魁新報のトップページ
障害者の再就職支援を指示 厚労相、相次ぐ解雇で
<以下は白木個人の意見/感想です>
「公費に依存した経営の改善を促すため、賃金を事業収益で賄えていない事業所の報酬を大幅に引き下げた。
公費なしで経営が成り立たない事業所などで撤退が広がった形だ。」
国はどうしてこのような乱暴なことをするんだろうか。
「公費に依存した経営の改善を促すため」には、もっと別の方法がなかったのだろうか。
その為に「3~7月に全国で329カ所が閉鎖され、障害者の解雇や退職は少なくとも約5千人に上った。」のでは本末転倒です。
「就労継続支援事業所の設置根拠となる障害者総合支援法は、障害の有無にかかわらず全ての国民が基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであると定める。」この基本的な人権が守られないなら、責任者出てこい!です。
武見大臣の対応は遅過ぎます。
というか、そもそも「賃金を事業収益で賄えていない事業所の報酬を大幅に引き下げた。」のは武見大臣の承認を以って進めた施策だったのではないか。
更に、地方自治体への指示では無く「依頼した」って、どういうことなんだろうか。
法律が変わってないからと言うなら、大臣示達とかなんとか法律改定までの繋ぎの方法はないのだろうか。
憲法で保障された基本的人権に反している状態を分かっているのだろうか。
幸いにも町の事業所では、解雇や事業所の閉鎖は無かったようです。
事業主のご努力には心から感謝いたします。
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