52歳でピアノを始め、リストの難曲「ラ・カンパネラ」を独学で習得した佐賀市のノリ漁師、徳永義昭さん(64歳)をモデルにした映画「ら・かんぱねら」が来春公開される。
メガホンを取ったのは秋田県大仙市大曲西根出身の映画プロデューサー鈴木一美(69歳)。
「地元に根付いたものや人々の思いを丁寧に撮った。地元住民や関係者、みんなの力でできた物語」と胸を張る。
鈴木は大曲農業高校を卒業後、横浜放送映画専門学院(現在の日本映画大学)に入学。
卒業後はスタッフとして映画製作に携わり、プロデューサーとして「さよなら、クロ」(2003年)、「野球部員、演劇の舞台に立つ!」(2017年)などを手がけた。
2020年夏、動画投稿サイトで徳永さんを知った。
世界的ピアニスト故フジコ・ヘミングの演奏に感銘した漁師がピアノを弾く姿に心を動かされ、翌日には直接自宅を訪ね映画製作の思いを伝えた。
その後本人への取材を重ね、鍵盤に向かうノリ漁師の成長を軸に、夫婦愛や親子の葛藤、絆を描くストーリーが完成。
主演に伊原剛志を迎え、有明海などをロケ地に今年3月から1カ月かけて撮影した。
有明海のノリ養殖についても勉強し、昨秋には作業の様子も撮った。
温暖化による不作や後継者問題も抱えており、「1人の漁師の姿を通じ、漁の厳しさも浮かび上がらせたい。生活を丁寧に描くことで、徳永さんや地元の人々の努力に敬意を示せたら。」(鈴木)。
劇中音楽やピアノ演奏シーンにも工夫を凝らした。
見どころは、クライマックスで伊原が11分にわたって弾き続ける「ラ・カンパネラ」だ。
「バラードのようなスローテンポの演奏。物語の果てに聴く曲が観客の心にどう響くのか。反応が楽しみ。」と話す。
今作が初監督作品。
製作を通じて自分の力不足を痛感したというが、映画作りへの情熱は増すばかりだ。
次回作は本県をテーマに据えた。
来年3月から製作に向け動き出す予定といい、「秋田らしさを表現しつつ、普遍的で共感できるドラマにしたい。」と熱っぽく語った。
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鈴木一美 監督
映画「ら・かんぱねら」 監督 鈴木一美さん インタビュー
ラ・カンパネラ 演奏 辻井伸行
<以下は白木個人の意見/感想です>
町関連では無いのですが、監督が秋田県ご出身ということで掲載させていただきました。
以前、テレビでご本人の演奏を聴いた覚えがあります。
彼はピアニストでは無いし、それなのに最難関曲なので、決して上手い演奏では無かったのですが、それでも良くここまで弾けるようになった!と感心しきりでした。
妻を思う熱意が成せる技でしょうね。
個人的にはYouTubeでピアノ演奏は良く聴いていて、いろんな方のラ・カンパネラを含めて、ピアノ演奏を楽しんでいます。
因みに、辻井伸行さんは紹介不要と思いますが、2009年のヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝された方です。
全盲なのに、超難関課題曲を一音弾き間違えることも無いどころか、その指のタッチや情感が全く素晴らしい驚異的なピアニストです。
映画「ら・かんぱねら」は主旨が異なりますが、鈴木監督の初監督作品としてとても楽しみにしています。
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