furusato_shiroki のすべての投稿

本県沿岸での産卵 ブリコの耐久力、ふ化率を高める ハタハタ未知と探求(5)

ハタハタは本県を中心とした日本海北部沿岸の水深10メートルより浅い場所で、岩場の海藻に卵(ブリコ)を産む。
岩場が続く八峰、男鹿、にかほの各市町の沿岸には、産卵に適した大型の海藻であるホンダワラ類の群落が多いため、この3地域に大きな産卵場が形成される傾向にある。

男鹿市北浦野村の海岸に漂着したハタハタの卵塊。堆積した厚さと面積から、総量を124トンと推定した=2009年12月25日

県は毎年、本県沿岸各地で産卵量を潜水調査している。
1995年の開始から毎年30カ所以上で行い、2013年からは13カ所の定点を対象としている。
時期は産卵がほぼ終わった1、2月だ。
海底に巻き尺を50メートル伸ばして置き、それに沿って両側1メートルの範囲に産み付けられているハタハタの卵塊を全て数える。
海藻の生育状況も記録する。
潜水時間は1カ所で2時間ほど。
この頃の本県の海は荒れやすく、水温は10度に満たない。
ドライスーツを着ていても頰などはいてついてしびれるように痛み、体は次第に芯まで冷える。

この調査で過去に確認した例では、40平方メートルの藻場に約2万5千個の卵塊が産み付けられていた。
局所的には、わずか1平方メートルに1,100個もあった。
海藻の量にもよるが、1平方メートルの藻場に千匹以上の雌が卵を産み付けられるようだ。

2015年1月、にかほ市平沢の沿岸で確認した卵塊。写真のように50センチ四方の金属枠を設置して内部の卵塊数を数えることもある

雌1匹当たり1シーズンに一つ、おおむね体長に比例した大きさの卵塊を産む。
卵塊は大きさに応じて、ひと塊が約500~3千個の卵からなる。
また、今年は荒天により3カ所で調査ができず、実施できた10カ所の中で卵塊が確認できたのは八峰町八森の1カ所だけであった。

◇  ◇

産卵の観察に用いた大型水槽。底に置いた木枠の中に砂を敷いて藻場を作った。

冬場の海中で産卵の様子を観察するのはさらに難度が高いため、大型水槽を使った調査も実施してきた。
人工授精から稚魚を育てて放流した事業(種苗生産という)で培った飼育技術を生かし、海水が100トン入る水槽に小さな藻場を作り、定置網で取れたばかりのハタハタ数百匹を入れ、われわれも中に潜って産卵の様子を観察した。
当初、ハタハタは群れで水槽の壁沿いを泳いでいて、徐々に藻場に集まり始める。
雌は卵で大きく膨らんだ腹が銀色に輝くので、ひときわ目立つ。

雌は体のあちこちで海藻に触れた後、口を大きく開けて体を震わせながら卵の塊を海藻に産み付ける。
すると、近くにいた多数の雄が殺到し、卵塊に体をぶつけるように精子をかける。
辺りは白く濁った。

数秒間の騒ぎの後に雄が卵から離れると、そばで様子を見ていたのだろうか、雌が再び卵に近づき、卵塊が海藻に固定されているか確かめるように触れた。
その後は卵の近くに戻ることはなかった。

水槽の中を泳ぐハタハタ=2014年1月

雌は通常、波の影響が小さい海藻の基部を狙って卵塊を産み付ける。
しかし多数の雌雄が集まって産卵場所が混雑すると、海藻の上部で産卵する雌も出てきた。
上部は海藻が揺れやすく不安定なため、卵塊が海藻から外れる場合もあった。

実際の海中でも海藻から外れる卵塊は少なくなく、波に流されて海岸に打ち上げられる。
県は2005年から毎年、漂着した卵塊の大きさや量を全県で調査している。
男鹿市北浦では2009年12月に124トン((推定)もの卵が漂着し、地面から厚さ70センチも堆積して海岸を埋め尽くした。
翌年も同じ場所で78トン(同)が漂着したことから、この付近の藻場では年によって産卵場所の取り合いが激しさを増し、多くの卵塊が海藻から外れて陸に打ち上げられてしまうのだろう。

◇  ◇

では、打ち上がった卵はどうなるのか。
卵がどれくらい乾燥に耐えられるのか調べたところ、水分が元の90%以上保持されれば、9割近くがふ化に向かって正常に発生を続けた。
水分が80%まで減ると正常に発生した卵は4割以下に減った。
また、水温との関係を4~15度台の範囲で調べると、10度前後で最も多くの卵が正常発生した。
それ以下の水温ではやや少なくなり、また13度以上では正常発生しない卵が著しく増えた。

卵は水分と温度が保たれれば、たとえ陸に打ち上げられても発生が正常に進み、再び海に戻ればふ化できるのである。
産卵期の本県沿岸は曇天続きで雪が積もることもあり、陸に漂着した卵の湿度や温度が保たれやすい。
波に引き込まれて海に戻り、ふ化する可能性は十分あるだろう。
ハタハタは殻が厚くて丈夫な卵を海藻に固定することで、厳しい冬の日本海でも卵のふ化率を高めていると考えられてきた。
しかしそれだけでなく、陸に打ち上げられてもふ化の望みをつなげるほどに、ブリコ自体が高い耐久力を備えているのである。
その上で、本県沿岸の冬の気候も、ハタハタの繁殖の成功を左右する大きな要因の一つであると考えられる。
(県水産振興センター・甲本亮太)

秋田魁新報の記事

秋田魁新報のトップページ

<以下は白木個人の意見/感想です>
写真のブリコの量は凄いですね。
この量は見たことがありません。
更に、この打ち上げられたブリコの水分が元の90%以上保持されれば、9割近くが孵化に向かって正常に発生を続けたそうです。
子供の頃は、海岸に打ち上げられたブリコは、もう死んだものと思って、拾い集めてブリコとして食べていましたが、大間違いだったんですね。
取り敢えずは、拾って海へ戻してやれば正常に孵化する可能性が高かったんですね。
こういう有益な情報は漁師など漁業関係者だけでは無く、小中学校へもフィードバックして欲しいですね。

皆様も投稿記事への感想やご意見など何でもご自由にコメントし、コミュニケーションしませんか。

※ この画面を下ヘスクロールするとコメント欄が表れます。
この投稿記事に対して誰でもが何人でも自由にご自分の考えや思ったことをコメントできます。
また、そのコメントに対して誰でもが何人でも自由に返信コメントができます。
投稿記事をテーマにしてコミュニケーションしましょう。

東大生3人、八峰町で就労体験 1次産業の課題解決のカにと

東京大の学生団体・東大生地方創生コンソーシアムの1年生メンバー3人が八峰町に滞在し、就労体験や生産者らとの意見交換を重ねています。
同町の1次産業が抱える課題や背景に理解を深め、改善・解決に向けた提案を行おうと積極的に活動。
最終日の19日は午後5時から同町峰浜田中の峰栄館で成果発表会を開きます。
同団体は、地域活性化に関心のある東大生の団体で、勉強会やフィールドワークなどのほか、1年生を対象に地域単位のプロジェクトを企面。
夏休みの約2週間、応募した「地域」に漬かり、机上の理想論ではないリアルな現場で活動するもので、今夏は能代市、八峰町を合む全国6地域が学生たちを受け入れています。
八峰町が対象地域になるのは初。
ENEOSリニューアブル・エナジー(東京都)が、洋上風力事業の地域貢献策で大学生の活動をサポートしています。

北羽新報の記事

北羽新報のトップページ


八峰町の生薬栽培の現場を体験。キキョウの花を刈り取る作業に挑戦する大学生たち(八峰町峰浜地区で)

<以下は白木個人の意見/感想です>
これは、とてつも無くありがたいですね。
優秀な頭脳であるだけで無く、実体験を通じて、町の一次産業の課題解決に役立てたいと活動しています。
ENEOSリニューアブル・エナジーのサポートにも感謝です。
果たして、どのような提案をいただけるのか、とても楽しみです。

皆様も投稿記事への感想やご意見など何でもご自由にコメントし、コミュニケーションしませんか。

※ この画面を下ヘスクロールするとコメント欄が表れます。
この投稿記事に対して誰でもが何人でも自由にご自分の考えや思ったことをコメントできます。
また、そのコメントに対して誰でもが何人でも自由に返信コメントができます。
投稿記事をテーマにしてコミュニケーションしましょう。

音楽で能代に活気を 「白神ロックライブ」7組熱演

能代を音楽の力で活気づけようと、能代市民有志にある「能代白神ロックライブ」は7日、同市柳町の「Gigs&Bar Witch」で開かれました。
市内外の7組がハートフルな演奏を繰り広げ、会場に詰め掛けた多くの音楽愛好者らの心をつかみました。
ライブは、音楽の力で交流人口の増加や経済活性化につなげることを狙い、市民有志が実行委員会(工藤達紀代表)を組織しL5年に「能代白神ロックフェスティバル」を開催したのが始まり。
3年目の今回は同店に会場を移して開催し、同市や秋田市、青森県弘前市、東京都を拠点に活動する7組のバンドが出演、オリジナル曲を中心に披露しました。
工藤代表は「イベントをさらに大きくしていけるように、これからも実行委員一丸となっ頑張っていきたい」と展望を語りました。

北羽新報の記事

北羽新報のトップページ

<以下は白木個人の意見/感想です>
3年目なんですね。
3年でも続けてこられたのは大変だったと思います。
是非、能代・山本の若者の活性化に向けて、引き続きよろしくお願いいたします。

皆様も投稿記事への感想やご意見など何でもご自由にコメントし、コミュニケーションしませんか。

※ この画面を下ヘスクロールするとコメント欄が表れます。
この投稿記事に対して誰でもが何人でも自由にご自分の考えや思ったことをコメントできます。
また、そのコメントに対して誰でもが何人でも自由に返信コメントができます。
投稿記事をテーマにしてコミュニケーションしましょう。

高峰山の頂上で一句 峰浜小児童、保護者と一緒にジオ巡り

八峰町峰浜小は6日、親子で地元のジオを巡る「親子でジオ」を行いました。
親子が高峰山(368m)とポンポコ山公園の自然に触れながら、俳句を詠んだり、遊んだりして親睦を深めました。
親子でジオは、親子の絆を深めながら、地元の自然や歴史を理解しようと毎年実施。
今年は全校児童52人と保護者が参加し、高峰山とポンポコ山公園を巡りました。
このうち高峰山の山頂で俳旬を詠む活動は、統合前の塙川小で実施していた恒例行事。
バスを降りた一行は、雑大な能代平野を眺めながら登頂。
八峰白神ジオパークガイドの会の会員の説明を聞きながら、景色や地形、歴史などを学習。
地元の自然に包まれながら、親と子がそれぞれ一句ずつ俳句を詠みました。

北羽新報の記事

北羽新報のトップページ


峰浜小の児童が保護者と地元のジオサイトを巡った

<以下は白木個人の意見/感想です>
これは素晴らしい!
親子で高峰山への登山だけでも素晴らしいのに、山頂で親子でそれぞれ俳句を詠むとは・・・。
是非、八森小学校でも実施していただきたいと思います。

尚、またまた私事で済みません。
今夏は母の法事で久々に帰省したのですが、久々だったので思い切って1週間休みを取りました。
そして、白神岳、二つ森、留山の3山へ登る予定でした。
しかし、クマが頻繁に出現するため、兄弟から強力に全反対されてしまい、時間を持て余してしまいました。
だから、高峰山へ親子で登山されたことにとても驚きました。
高峰山ならクマの心配は無いのでしょうか。
それとも、実際は猟銃を持った数名のハンターさんが同行したのでしょうか。
もし、知ってる方がいましたら、是非記事のコメント等で教えていただけると嬉しいです。

皆様も投稿記事への感想やご意見など何でもご自由にコメントし、コミュニケーションしませんか。

※ この画面を下ヘスクロールするとコメント欄が表れます。
この投稿記事に対して誰でもが何人でも自由にご自分の考えや思ったことをコメントできます。
また、そのコメントに対して誰でもが何人でも自由に返信コメントができます。
投稿記事をテーマにしてコミュニケーションしましょう。

トランペットだけの楽団、秋田県内で活動中 20日に秋田市で演奏会「色彩豊かな旋律楽しんで」

秋田県内のトランペット界を盛り上げようと、トランペットだけで構成する「あきたトランペットソサイエティ」が活動を続けています。
20日には、高音域を正確に演奏する“ハイトーンヒッター”として知られるプロ奏者のエリック・ミヤシロをスペシャルゲストに迎え、秋田市のあきた芸術劇場ミルハス中ホールでコンサートを開きます。
代表の北澤敬樹さん(39歳)=秋田市=は「生演奏の迫力を肌で感じ、楽しんでほしい」と話します。

北澤さんは以前住んでいた岩手県で約8年前に立ち上げたのをきっかけに、2022年に秋田県でもトランペット楽団を設立しました。
年齢や演奏の腕、プロ・アマを問わず受け入れ、現在の団員は会社員や公務員など県内外の20~60代25人。
県内の愛好者や県外で活動する県出身のトランペッターらとの結び付きを深めるのが目標です。
主に秋田市で月1、2回合奏練習を行っています。

設立当初からのメンバーの一人、木藤誠さん(50歳)=秋田県八峰町=は「クラシックやジャズなど幅広いジャンルを演奏できる花形。吹いた後の達成感がとても気持ちいい」と魅力を語ります。
木藤さんに誘われて入団した山室昌晴さん(57歳)=大阪府交野市=も「幼少期から好きなトランペットが生き生きと演奏できる」と笑顔を見せます。

4回目の開催となる20日のコンサートは2部構成。
1部は、順に音を奏でて鐘の音色を表現する「コルネット・カリヨン」(ビンジ)、「アルルの女第2組曲」(ビゼー)など5曲を披露します。
「色彩豊かな旋律や、躍動感あふれる曲目をぜひ堪能してほしい」と北澤さん。
2部は、エリックらが代表曲「スカイダンス」など5曲を演奏します。

午後4時開演。
全席自由。
一般千円(当日1,500円)。
学生500円(同千円)。
未就学児無料。
チケットはミルハスやさきがけニュースカフェなどで販売中。
問い合わせは北澤さんTEL 090-3647-5098

秋田魁新報の記事

秋田魁新報のトップページ

あきたトランペットソサイエティ

<以下は白木個人の意見/感想です>
これは素晴らしい!
「設立当初からメンバーの一人、木藤誠さん(50歳)=秋田県八峰町=は「クラシックやジャズなど幅広いジャンルを演奏できる花形。」
もしかしたら、当ふるさと会の会員さんでは? と調べたところ、苗字が同じ方が1名いらっしゃいました。
ご親戚か否かは分かりません。
もし、ご親戚だったら、総会での演奏に小規模で・・・と思ったのですが、当会の予算ではそれでも無理ですかね。

皆様も投稿記事への感想やご意見など何でもご自由にコメントし、コミュニケーションしませんか。

※ この画面を下ヘスクロールするとコメント欄が表れます。
この投稿記事に対して誰でもが何人でも自由にご自分の考えや思ったことをコメントできます。
また、そのコメントに対して誰でもが何人でも自由に返信コメントができます。
投稿記事をテーマにしてコミュニケーションしましょう。

eスポーツ大会で“町おこし” 白神八峰商工会、14日に「八峰闘演武」開催

八峰町で、コンビューターゲームを競技として捉えたeスポーツの大会「八峰闘演武」が、14日に開かれます。
白神八峰商工会が主催し、ゲーム愛好者である同商工会青年部の佐々木竜平さん(37歳)=同町峰浜石川=が企画を担って初めて開催。
大人気格闘ゲーム・ストリートファイター6で県内外のプレイヤーが団体戦を繰り広げるとともに、プロゲーマーをゲストに招きます。
親子で楽しめる体験会やフリー対戦会も設けます。
ゲームソフトメーカーの公認大会で、同商工会は「全県、全国に町を知ってもらいたい」と話しています。
会場は町文化交流センター・ファガスで、イペントの時間は午前10時~午後5時、団体戦の試合は午前11時30分から。
参加、観戦ともに無料。

北羽新報の記事

北羽新報のトップページ

「八峰闘演武」をアビールする佐々木さん

<以下は白木個人の意見/感想です>
eスポーツに関しては、2022年4月3日に「eスポーツでまちおこしを」記事を掲載していました。
その記事の動画を良く見ると、なんと出ている1名の方が佐々木平竜平さんにとても似ています。
これはたまたま似た方なのか、ご本人なのかは分かりませんが、その思いはここに結実したのだと思いました。
是非、この種を大切に育てていただき、町の活性化に繋げていただきたいと思います。

皆様も投稿記事への感想やご意見など何でもご自由にコメントし、コミュニケーションしませんか。

※ この画面を下ヘスクロールするとコメント欄が表れます。
この投稿記事に対して誰でもが何人でも自由にご自分の考えや思ったことをコメントできます。
また、そのコメントに対して誰でもが何人でも自由に返信コメントができます。
投稿記事をテーマにしてコミュニケーションしましょう。

中学生がプログラミング 三種町、学校統合見据え「STEAM教育」展開

三種町山本中で4日、教科横断的な学びで題を発見・解決する力を育む「STEAM教育」に関するブログラミング授業が行われました。
町内3中学校が統合して開校する三種中のR8年度開校を見据えたもので、生徒がプログラミングを実践し、活用方法などに理解を深めました。
STEAM教育は、教科の枠にとらわれずに創造性や発想力などを生かして課題解決につなげるもの。
同町では、現在ある3中学校を統合してR8年度開校予定の三種中に「STEAMプラザ」を設けるなど、生徒の学びが充実するように新たな学校施設の整備を進めています。
プログラミング授業は町教育委員会の主催で、講師は昨年度まで県立大に在籍していた高田短大(津市)教授の庭田千明さん。
4、5両日で計6時間計画し、このうち4日は1年生20人が受講しました。

北羽新報の記事

北羽新報のトップページ

STEAM教育とは

<以下は白木個人の意見/感想です>
正しい読み方は「スティーム教育」です。
でも、蒸気教育ではありません。
下記5つの頭文字を組み合わせた造語です。
・Science…科学
・Technology…技術
・Engineering…工学
・Art…芸術/教養
・Mathematics…数学
これら5つの領域を重視し、盛り込んだ教育方針のことを意味しています。

このようなSTEAM教育が何故必要になったのか、は上記「STEAM教育とは」リンクをお読みください。
その一つとしてのプログラミングは、物事を理論的に分析するのにとても重要だと思います。

度々、私事で申し訳ございません。
私とプログラミングの関わりの歴史を少し語らせてください。
以下、とても長文なので、ご興味無かったら飛ばしてください。

約50年前、私が大学の工学部の4年生頃は、ホストコンピュータでFORTRAN言語で建物や機械構造物の強度を計算して設計していました。
これが、私の初めてのプログラミングとの関わりでした。
しかし、学生による計算待ちの列は凄く長く、日々何度も並ぶのに辟易していました。

ちょうどその頃に、プログラマブル電卓が世に出ました。
当時日本には四則演算ができる電卓しかありませんでした。
もちろん、計算スピードはホストコンピュータには全然敵いません。
でも、今プログラムの何行目を実行しているのかが目で追えるぐらい遅かったのです。
これは、精神的な健康にはとても良かったと思います。
更に、並ばずに日に何回でも気軽に計算できたのです。
これは、革命的、衝撃的な商品でした。
米国Hewlett-Packard(ヒューレット・パッカード)社のHP-29Cという手の平に乗る超小型でありながらプログラミングが出来る電卓として、驚異的な商品でした。
参考までに、HP-41Cはそれまでアポロ宇宙飛行士が胸に差して宇宙まで持って行った計算尺を完全に駆逐したプログラマブル電卓でした。

当時、卒論で二足歩行ロボットの設計制作を行う上で、どうしても欲しくてたまりませんでした。
しかし、価格は超高額。
とても、実家に話して仕送りしてもらえる金額ではありませんでした。
そこで、64回ローン+夏冬のバイト代全てを注ぎ込んで、清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったのです。

お陰様で、卒論は期限内に完成し、身長2mを超える油圧制御の二足歩行ロボットが完成しました。
もちろん、私一人の力ではありません。
次の5つの班がありました。
・歩行理論班
・油圧制御班
・機械構造班
・センサー班
・マイコン制御班
一班1、2名でした。
当時は8bitマイコンが初めて販売された時期で、頭脳としての活用を目指していました。
私は、機械構造班として、ロボットの機構設計、強度計算、旋盤/フライス盤/溶接での制作を担当していました。
この時期について書きたいことは山ほどありますが、長くなるので書きません。
が、一つだけ書かせていただくなら、歩行理論を見出した、ということです。
ロボットの歩行は、静的な歩行では無く、動的な歩行を目指していました。
静的な歩行というのは、おもちゃのロボットのように足が極端に広くて片足で立っていても絶対に重心が足から外へ出ないので倒れないのです。

一方動的歩行とは、人間の歩行です。
一歩足を前に振り上げることにより、重心が安定領域から前に外れてしまい、それによる前に倒れ込む力を利用して前に進むのです。
つまり、これは不安定を利用した歩行です。
しかし、不安定とは機械で制御困難なのです。
この矛盾した超難しいことを人間は毎回簡単にこなしています。

この問題をどうやって解決したのかは、書くとまた長文になるので詳しくは書きませんが、各関節の角度制御をアクティブ制御だけでは無く、受動制御も取り入れたのでした。

済みません。主旨から大分外れてしまいました。
プログラマブル電卓のプログラミング言語は「RPN言語」でした。
RPNとは、逆ポーランド記法(Reverse Polish Notation)と言って、もの凄く分かりやすい記法でした。
むしろ和式記法と呼んでも良いと思えるほどでした。

大学を卒業して会社へ入社した頃は、マイコンから8bitパソコンが出始め、BASIC言語が広まりました。
BASIC言語もとても分かり易い言語でした。
プログラミング初心者には最適だと思いました。

そして、ここでもう一つ重要なことを学びました。
それはフローチャートです。
要するに、物事をどういう順番で進めるのか、を頭で考えることです。
これは、自分が普段考えていることを分解して順番も正しくフローチャートへ書き表すのです。

BASIC言語ができるようになると、やたらと自分の周りのものをプログラミングしたくなり、当時入っていた会社の寮の飲み物管理や、会社の先輩のハム通信管理簿等々作っていました。
ハム通信管理簿は今で言うデータベースなのですが、当時データベースなどと言うアプリケーションは存在していませんでした。
だから、ディスクのどの位置へ書き込むのか、どの位置から読み込むのか、など全て計算してアクセスするランダムアクセス・データベースを構築していたし、画面のカーソルのブリンキング(点滅)さえ何秒表示して何行消すのかも全て計算して表示させるという、物凄く原始的なことをやっていました。

そんな訳でプログラムはBASIC言語でも千行を遥かに超えるものになってしまい、当時アパートで夜に帰宅してプログラムを印刷していると、壁をドンドンされてしまいました。
当時のプリンターはドットマトリックスプリンターといって、小さな金属ワイアで鉄板を叩く方式だったので、ジージーとメッチャうるさかったのです。

更に、ちょうどその頃は、会社の業務にパソコンが導入され始めた黎明期でした。
といっても、まだ具体的に何に活用できるのか分からない状況で、手探り状態でした。
私は個人的にBASIC言語をやっていたので、まずは日本語辞書を手入力して日本語ワープロを作りました。
次に機械設計者である自分の本業に活かそうと思い、当時手作業で約2日掛かっていた作業を5分でリスト出力するプログラムを作りました。
5分は主にリストの印刷時間であり、画面への出力は1、2秒でした。
このプログラムは既にあるデータを単にリスト化して出力した訳では無く、いくつもある業務ルールをプログラミングで表現し、プログラムに自動判断させてリストを生成していました。
この話は瞬く間に同じ業界内に広がり(恐らく協力会社さん経由)、こっそりライバル他社からスカウトもされましたが、人間関係が気に入っていたので全て断りました。

ことほど左様に、対象とする物事をフローチャートへ落とせる力、そこから更にそのフローチャートに基づいてプログラへ落とせる力は、何をするにしても基礎となる能力の一つだと思うのです。

STEAM教育は是非我が町の小学校でも早急に導入していただきたいと思います。

皆様も投稿記事への感想やご意見など何でもご自由にコメントし、コミュニケーションしませんか。

※ この画面を下ヘスクロールするとコメント欄が表れます。
この投稿記事に対して誰でもが何人でも自由にご自分の考えや思ったことをコメントできます。
また、そのコメントに対して誰でもが何人でも自由に返信コメントができます。
投稿記事をテーマにしてコミュニケーションしましょう。

秋田県の高齢化率、初の4割超え 2050年は約5割の予測

秋田県は28日、県人口に占める65歳以上の割合を示す高齢化率が今年7月1日時点で40.3%となり、初めて4割を超えたと発表しました。
前年同期からは0.6ポイント増。
高齢者の実数は減少傾向にあるが、県内全体の人口減少が続く中で高齢化率は上昇を続けています。

県人口88万1,992人のうち、65歳以上は35万5,292人(男性14万8,867人、女性20万6,425人)で前年からは2,175人減少しました。
このうち、75歳以上人口は20万2,191人(男性7万6,051人、女性12万6,140人)で前年比4,555人増。
全人口に占める割合は0.9ポイント増の22.9%でした。

65歳以上の高齢者数は2021年の36万2,012人をピークに減少傾向が続いているが、65歳未満の人口減少が急激に進んでいることから高齢化率は毎年、過去最高を更新しています。

市町村別の高齢化率は、上小阿仁村が前年比横ばいの59.0%で県内最高。
藤里町56.3%、八峰町53.7%、男鹿市53.2%、五城目町52.5%、三種町51.4%となり、6市町村で5割を超えています。
高齢化率が4割を超えた自治体は新たに由利本荘市が加わったため前年の20から21市町村に増えました。
最も低い秋田市は前年比0.5ポイント増の33.5%でした。

総世帯数38万2,779世帯のうち、高齢者だけの世帯は14万2,800世帯で37.3%。
このうちの8万1,201世帯(21.2%)が1人暮らしでした。
上小阿仁村は高齢者の1人暮らしが全世帯の半数を超えています。
要支援・要介護者がいる世帯は3万9,508世帯でした。
県長寿社会課は「人口減少対策は最重点課題。
健康寿命日本一の実現や高齢者が活躍する共生社会の構築、介護サービスの持続的・安定的提供の観点で高齢者施策に取り組んでいく」としています。
高齢化率に関する統計は老人月間(9月)を前に各市町村の住民基本台帳などを基にまとめました。
国立社会保障・人口問題研究所が発表している人口推計では2050年の本県高齢化率は49.9%になると予測しています。

秋田魁新報の記事

秋田魁新報のトップページ

<以下は白木個人の意見/感想です>
高齢化率の上昇は、医療費・介護費の増加による社会保障制度の財政不足、労働力不足と経済成長の鈍化、高齢者自身のQOL(生活の質)の低下や孤立、地域社会の機能低下など、多岐にわたる課題を生じさせます。
我が町八峰町の高齢化率(人口に占める65歳以上の割合)は、なんと県No.3の53.7%です。(2025/7/1現在)
少子化対策はとても重要ですが、少子化だけを考える訳にはいかない状況です。
かく言う私も既に70歳です。
何か社会貢献したいと思って、シルバー人材センター経由で週に2,3日の仕事をしていますが、果たして社会貢献になっているのか・・・。

皆様も投稿記事への感想やご意見など何でもご自由にコメントし、コミュニケーションしませんか。

※ この画面を下ヘスクロールするとコメント欄が表れます。
この投稿記事に対して誰でもが何人でも自由にご自分の考えや思ったことをコメントできます。
また、そのコメントに対して誰でもが何人でも自由に返信コメントができます。
投稿記事をテーマにしてコミュニケーションしましょう。

「期待に添えず申し訳ない」三菱商事・中西社長、鈴木知事に陳謝

能代市・三種町・男鹿市沖を含む国内3海域で進めてきた洋上風力発電所の建設計画から撤退すると発表した三菱商事の中西勝也社長が29日、秋田県庁を訪れ、鈴木知事に「秋田の皆さんの期待に添えず、本当に申し訳ない」と陳謝しました。
鈴木知事は「誠に残念であり、遺憾というほかはない」と述べました。
中西社長は地域共生の取り組みを継続すると述べ、先行投資してきた県内企業や関係自治体への説明に努めていく考えを示しました。
鈴木知事との面会は冒頭のみ公開され、中西社長は知事に対し頭を下げて撤退を陳謝。
面会後、取材に応じた中西社長は「厳しい言業を頂きつつも、未来志向での激励も頂き、ありがたかった」と選べ、地域共生策の継続に加え、秋田支店も存続させると明言しました。

北羽新報の記事

北羽新報のトップページ

<以下は白木個人の意見/感想です>
秋田県の経済発展にとっては、本当に痛い!と思います。
既に当てにして先行投資している民間企業もあると思います。
機械設備だけでは無く、関係者や保守人員が泊まるホテル等の宿泊施設も。
果たして、どう乗り切るのか、国だけでは無く、知事・市長等首長の腕の見せ所です。

皆様も投稿記事への感想やご意見など何でもご自由にコメントし、コミュニケーションしませんか。

※ この画面を下ヘスクロールするとコメント欄が表れます。
この投稿記事に対して誰でもが何人でも自由にご自分の考えや思ったことをコメントできます。
また、そのコメントに対して誰でもが何人でも自由に返信コメントができます。
投稿記事をテーマにしてコミュニケーションしましょう。

白神山地を「ユネスコエコパーク」に 懇談会で登録提案する意見

白神山地世界遺産地域の管理に関する懇談会が26日、藤里町総合開発センターで開かれました。
能代山本や青森県から事前に申し込んだ約15人が行政機間と意見を交わす中で、白神山地が生物圏保存地域(ユネスコエコパーク)に登録されるように活動していくべきとの提案などがありました。
県自然保護課は「周辺市町村全体としてユネスコエコパーク登録を目指す方針が示された場合には白神山地世界遺産地域連絡会議の場で検討、協議したい」と答えました。
世界自然遺産は顕著で普遍的価値を有する自然を厳格に保護することを主目的としているが、ユネスコエコパークは豊かな生態系や生物多様性を保全するとともに文化的にも経済・社会的にも持続可能な発展を目指すものです。

北羽新報の記事

北羽新報のトップページ

ユネスコエコパーク

<以下は白木個人の意見/感想です>
世界遺産が自然保護を主目的とするのに対し、エコパークは「保全」「利用」「地域社会の発展」の3つの機能を中心に、持続可能な発展のためのモデル地域となることを目指します。
2025/3/25掲載「別冊太陽 世界自然遺産  30周年 環白神の世界」記事で紹介していますが、この活動がエコパークに繋がるのではないでしょうか。

皆様も投稿記事への感想やご意見など何でもご自由にコメントし、コミュニケーションしませんか。

※ この画面を下ヘスクロールするとコメント欄が表れます。
この投稿記事に対して誰でもが何人でも自由にご自分の考えや思ったことをコメントできます。
また、そのコメントに対して誰でもが何人でも自由に返信コメントができます。
投稿記事をテーマにしてコミュニケーションしましょう。