ハタハタ食文化、衰退懸念 秋田県の2023年漁獲量、禁漁明け最少

秋田の県魚として親しまれてきたハタハタが、身近なものではなくなりつつある。
近年は記録的不漁が続き、2023年の漁獲量は1995年の禁漁明け以降最少となった。
漁獲の低迷は秋田に根付いてきた食文化の衰退にもつながりかねず、さまざまな業界に影響が広がっている。

「雌1匹900円」。今月6日、秋田市の70代男性は鮮魚店に並んだハタハタの値段を聞いて、悩んだ末に別の魚介を手に取った。「毎年ハタハタを食べているが、今年は高くて全然食べられていない。高級品になってしまった」

2023年(1~12月)の漁獲量は沖合、沿岸合わせて110トンで、記録的不漁とされた2022年の197トンをさらに大きく下回った。
今季の漁期(2023年9月~2024年6月)で見ても、漁獲量は12月末時点で109トンと低迷しており、禁漁明け直後の143トンを下回って最少となる見通しだ。

不漁続きの影響は、各方面に広がっている。
冬場の名物として5千~1万円のコースにハタハタ料理を組み込む能代市柳町の料亭魚松では今季、12月下旬に始めたハタハタの提供を、正月を待たずに終えた。

期間中でも提供できたのは客からの要望があった時のみ。
12月下旬に八峰町でまとまった水揚げがあった以降も、仕入れ値は1キロ当たり3千円ほどで、コースに組み込める価格に落ち着かなかった。
宇佐美正代表は「これだけ高いとぜいたくな使い方はできない。昨季も不漁で提供期間が短かったが、さらに深刻な状況になってしまった。」と嘆く。

男鹿市の和風レストラン「きりん亭」では、12月下旬以降、ハタハタを3,4匹使う人気メニュー「はたはたタルタル丼」と、ミニサイズの丼がついた「ご当地グルメ膳」が欠品している。
近年の不漁続きに今季の水揚げの少なさが追い打ちをかけ、仕入れ先から今季はもう納品できないと伝えられた。

提供再開のめどは立っておらず、代表の伊藤智弘さん(60歳)は「小さい頃は『猫もまたぐ』と言われるほどハタハタが浜にあふれ返っていた。まさかこんな日が来るとは。」と語る。

ハタハタずしや燻製(くんせい)ハタハタを製造するにかほ市平沢の「三浦米太郎商店」の三浦大輔社長(40歳)も「原料がないことにはどうしようもできない。」と肩を落とす。

以前はほぼ県産ハタハタを使用していたが、昨年9月ごろから漬け始めた2023年度出荷分は県外産を取り寄せて製造した。
2023年度分は例年通り販売できているが、2024年度出荷分に使用するハタハタの入荷のめどは立っていないという。

三浦社長は「『脱ハタハタ』を考え、他の魚介類を使用した商品作りを早急に進める。
大量のハタハタが再び取れることを信じて、今は会社を守り、受け継いできた食文化を守りたい」と話す。

秋田市民市場の鮮魚店「安亀」の店主安田昭夫さん(72歳)によると、今季は10月中に沖合ハタハタの入荷がなく、11月に入りようやく仕入れが始まった。
その後、沿岸漁が始まっても漁獲の好不調が激しく、数十箱単位で仕入れたくても「他の業者にも振り分けないといけない。」と数を抑えられたこともあったという。

仕入れ値は数年前の倍に膨らみ、漁獲が少ない中で手に入れるのも一苦労。
だが最もこたえるのは消費者の「ハタハタ離れ」だという。

安田さんは「高値が続き、食べなくてもいいという人が増えていくのがさみしい。ほかの魚はいいかもしれないけど、秋田の人にとってハタハタはそういう魚じゃない。」と力を込めた。

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<以下は白木個人の意見/感想です>
「雌1匹900円」! マジですか!!
私が小学生の頃は、ハタハタを獲っている船が沈みそうになるくらいにハタハタを満載して岸壁に水揚げしてました。
岸壁はどこもかしこも所狭しとハタハタが入った木箱が積み上がっていて、騒然としていました。
今は当時のその賑わいもほとんど無いんでしょうね。
当会はかつて築地本願寺境内でHATA-1グランプリでハタハタのしょっつる鍋を安く提供し、ふるさとの味を懐かしむ大勢の方に大人気でした。

HATA-1グランプリ3年連続獲得❗️(2017/12/9)

当時は400円ぐらいでしたが、もし今開催したら一杯いくらになるんだろうか?
オス・メス各一匹づつ入って、ふるさとの美味しい長ネギと豆腐も入ってるので、1,600円ぐらいか!?
これでは成立しないですね。

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