八峰中生が介護ロボ操作体験

八峰町八峰中(八代英樹校長)で22日、介護ロボット操作体験学習会が開かれました。
2年生が介護ロボットを導入している事業所の事例発表を聞いたほか、電動車椅子の操作などを体験し、介護現場の現状や仕事内容に理解を深めました。
介護労働安定センター(秋田市)が県の委託を受けて実施している介護の仕事の魅力発見事業を活用。
能代山本では今年度、能代市東雲中、能代東中、能代科学技術高で行われ、八峰中が4校目。
2年生37人の総合的な学習の時間に開きました。

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<以下は白木個人の意見/感想です>
介護におけるロボットの定義とは、どんなものなんだろうか。
自分の話で毎度恐縮ですが、私は50年近く前の大学時代の卒論で自動制御学科の「二足歩行ロボット」の研究室に在籍していました。
目的は、ロボットに人間の歩行をさせることでした。

当時おもちゃの二足歩行ロボットは昔からありました。
それは広い足裏の中にロボット全体の重心が常に入っているので、片足になっても決して倒れない安定した歩行ができていました。
これを静的歩行と言います。

しかし、人間の実際の歩行を見てみると、片足を進行方向に振り上げた時に、身体全体の重心は着地している方の足裏から外れて身体が進行方向に倒れ込むのです。
その倒れ込む不安定な力を利用して前に進むのです。
これを動的歩行と言います。
これはとても凄いことなのです。

普通、機械は常に安定領域に入るように制御しており、不安定領域を制御することは不可能なのです。
しかし、人間はこの不安定を制御するというとても難しいことを、いとも簡単に日々何回も何回も続けているのです。

当時はマイコンが初めて世に出始めた頃で、8ビットCPUに01のトグルスイッチ8個でパチパチとマシン語プログラムを入力していました。(^^;
全体の動きの制御は油圧制御で、人間と同数の関節/自由度をセンサーでフィードバック制御していました。

研究当初は身体の各関節に角度センサーを付けて歩かせ、その通りに制御すればロボットで歩きを再現できると思ったのです。
でも、ダメでした。
原因は床面の微妙なアンジュレーションと、接地するロボットの足裏面の角度との間に微妙な差異が生じてしまい、バランスを崩して倒れてしまうのです。

そこで、気付きました。
接地する時の足の各関節の角度は積極制御しているのでは無く、接地面のアンジュレーションに合わせているのだと。
つまり、不安定領域は受動制御していることに気付いたのです。

この不安定領域の受動制御目的でフリー回路というものを新たに開発して、片足着地時は各関節角度は受動制御とし、そこからは積極制御に切り替えるということを繰り返しました。
詳しく書くと数百ページなるのでこの辺で辞めますが、結果は残念ながら自立歩行には至りませんでした。
卒論の1年間だけではとても無理で、腰の捩れ制御だけでも最低2年間は欲しいと思いました。

因みに、ロボットの骨格から、頭脳(マイコン回路/プログラム)、油圧アクチエーター、油圧制御回路、各種センサーなどオイルポンプ以外は全て自分達で旋盤、フライス盤、溶接で設計・製作していました。
ロボットの背丈は2mちょうどでした。

当時、アイザック・アシモフのロボット三原則には次のように書かれていました。

第一条)ロボットは人間に危害を加えてはならない。
また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
(A robot may not harm a human being, or, through inaction, allow a humanbeing to come to harm.)

第二条)ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。
ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
(A robot must obey the orders given to it by the human beings, except where such orders would conflict with the First Law.)

第三条)ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
(A robot must protect its own existence, as long as such protection does not conflict the First or Second Law.)

つまり、ロボットと言う言葉はアトムのような人間型ロボットを感じさせてくれるロマンがあるものにこそ付けられるべき名前だと思うのです。
果たして、介護ロボットとは。

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