厚生労働省が推定した市区町村別の合計特殊出生率(2018~2022年の平均値)によると、秋田県は鹿角市を除く24市町村が全国平均を下回った。
女性1人が生涯に産む子どもの推定人数で、秋田県内では全国でも早いペースで少子化が進む実態が浮かぶ。
厚労省は4月、毎年の人口動態統計を基に合計特殊出生率の5年間の平均値を発表。
全国平均は1.33で、前回(2013~2017年)より0.1ポイント下がった。
秋田県は前回の1.34から0.11ポイント減り、1.23となった。
市町村別では能代市以外の24市町村で前回より低下。
県内で全国平均を上回ったのは1.38だった鹿角市のみで、能代市1.31、大館市1.30、由利本荘市や大仙市、八峰町などの1.28と続いた。秋田市は1.21だった。
全国平均を唯一上回った鹿角市は「お金がかからず安心して子育てできる環境を目指している。」。
4月から市の独自施策として、幼稚園や認定こども園などに通う0~2歳児の保育料を無料化した。
ただ、市の年間出生数は減少傾向にある。
2012~2022年の10年で出生数は95人まで半減。
市すこやか子育て課は「『こども家庭センター』を新設し、妊娠から子育てまでの相談を充実させる。
将来のためにまずは現状を維持したい」としている。
25市町村のうち、最も低かったのは男鹿市の1.12。
市子育て支援課は「若者の秋田市と潟上市への転出が目立ち、状況は特に厳しいと感じている。
半島のためアクセスが不便などさまざまな要因が考えられる」と受け止める。
子育て世代の増加につなげようと、市は移住定住支援の充実を図る。
今後はJR男鹿駅周辺や鵜ノ崎海岸での宿泊施設建設の計画があるため雇用拡大も見込めるという。
同課の担当者は「取り組みはすぐに花開くというものではないが、良い効果につなげたい。」と話した。
厚労省によると、合計特殊出生率の上位は高い順に鹿児島県徳之島町2.25、同県天城町2.24、沖縄県宜野座村2.20。
下位は京都市東山区0.76に続き、大阪市浪速区と京都市上京区がともに0.80だった。
上位は沖縄や鹿児島の島が多く、下位は都市部が目立った。
鹿児島県徳之島町は前回(2.40)も全国3位でトップクラスを維持する。
町介護福祉課は、第1子から出産祝い金10万円を贈るなどの子育て支援策に加え、学校への入学を親の仕事仲間や友人が集まって祝うことなどを挙げ、「子どもは宝という風土がある。安心して出産し、子育てできると感じる人が多いのではないか」と指摘した。
【合計特殊出生率】
1人の女性が生涯に産む子どもの数を推定した人数。
15~49歳の女性の年齢別出生率を合計する。
人口維持に必要な目安は2.07とされる。
戦後の第1次ベビーブームが起きた1947年には4.54だったが、75年に2を割り込んだ。
政府は90年代から少子化対策に取り組んでいるが、低下に歯止めがかかっていない。
安倍政権では、若い世代が希望通りの数の子どもを持てる「希望出生率1.8」を掲げたことがある。
秋田魁新報の記事
秋田魁新報のトップページ
<以下は白木個人の意見/感想です>
2024/4/28 に「能代山本4市町村は「消滅の可能性」 人口戦略会議が発表」記事で「消滅可能性自治体」の対象にもなっていることを掲載しましたが、「20〜39歳の女性人口が半減し、将来的に消滅する可能性がある」と「合計特殊出生率」はとても関係があることです。
つまりは、「少子化対策」がポイントです。
その意味でも、テレワークによる「転職なき移住」が恐らく唯一の解決策になるのではないかと思います。
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