衆院選2026・課題の現場から 洋上風力
「洋上風力は国が主導するプロジェクトだから撤退はないだろう、せめて3海域のうち一つくらいは残るだろうと思っていたが…」。
国内の電機大手と連携し、部材製造への参入を目指していた三栄機械(秋田県由利本荘市川口)会長の齊藤民一さん(79歳)はこう語った。
齊藤さんが「撤退はない」とみていたのは、三菱商事(東京)が能代市・三種町・男鹿市沖と由利本荘市沖、千葉県沖の3海域で計画していた洋上風力発電事業だ。
同社は昨年2月、コスト上昇を理由に事業を「ゼロから見直す」と表明。
半年後の8月に示した結論は3海域全てからの撤退だった。
三栄機械は陸上風力の風車に必要な工具などを手がける。
洋上風力産業への参入に向けて生産力を高めようと、昨年に大型の金属加工機を1億円以上かけて導入した。
齊藤さんは先行投資した加工機について「設備は風車部品の製造以外にも使えるが、100%稼働させることができないという面では負担がある」と漏らす。
三栄機械会長の齊藤さん。後ろの金属加工機は洋上風力産業への参入を見据えて導入した
県の調査によると、参入を見据えて先行投資をした県内企業は12社で、このうち6社が融資を受けて工場増設や設備購入などを行った。
6社の投資額は合わせて約16億円に上っている。
洋上風力は再生可能エネルギーの導入拡大を急ぐ政府が「切り札」に位置付ける。
昨年2月に閣議決定したエネルギー基本計画では、電源全体に占める再エネの割合を現在の2割程度から、2040年度には4~5割程度に引き上げるとした。
本県沖は恵まれた風況から洋上風力の「先進地」として注目を集めてきた。
三菱商事が撤退した3海域では、政府が早ければ今年春にも事業者を再公募する見通しだ。
さらに、三菱商事以外の事業者に決まっている本県の2海域を含む5県6海域では、電気代を原資とした支援制度を利用可能とすることで、建設費の一部を国民負担としてでも導入を促進する。
足元では事業環境が好転する兆しはまだ見えない。
八峰町・能代市沖の事業者に選定されているENEOSリニューアブル・エナジー(東京)は今月23日、陸上工事の着工が遅れると明らかにした。
理由は「資材価格の高騰を受けて収益性の見通しが低下しており、コストダウンを検討しているため」だった。
「地域経済の起爆剤」としての期待は根強く
県内の経済界では、洋上風力が逆風下にあっても「地域経済の起爆剤になれば」との期待は根強い。
秋田銀行の洋上風力産業支援室長、三浦雅人さん(51歳)は「人口減が進む秋田にとって洋上風力は産業振興の柱になる。
そのためには関連産業の発展が欠かせない」と主張する。
三栄の齊藤さんは風車立地地域での産業育成に向けて、海外の風車メーカーの誘致や海外企業と国内企業の連携を政府が主導して進める必要があると考えている。
「地元では安い電力を使えるようにならないだろうか。
脱炭素に貢献する地域に恩恵があるようにしてほしい」とも求める。
風力発電の安全性を懸念し、反対を訴えてきた市民団体「由利本荘・にかほ市の風力発電を考える会」代表の佐々木憲雄さん(78歳)は、今回の衆院選でエネルギー政策が主要な争点となっていないことを気にかける。
秋田市新屋町で陸上風車の羽根が落下する事故が起きたことや、景観や健康などへの影響を指摘し「現場を見て、そこで生活している人の声に耳を傾けてほしい」と語る。
秋田魁新報の記事
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<以下は白木個人の意見/感想です>
国のエレルギー政策へ積極的に協力/対応した企業はハシゴを外されたようでとても辛いですね。
早く事業者を再公募していただきたいですね。
一方、三菱商事の撤退を免れた八峰町・能代沖(ENEOSリニューアブル・エナジー)はここに来て着工が遅れるんですね。
理由は「資材価格の高騰を受けて収益性の見通しが低下しており、コストダウンを検討しているため」と、三菱商事と同じじゃないですか。
大きな影響が無いと良いのですが・・・
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